2019年10月01日

ギター譜の基礎知識

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Page1このページではギター譜の読み方を解説します
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Page2ソロギター ミニライブ
ではソロギターの演奏例を紹介します
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Page3コーヒーブレイク
では簡単なギタークイズに挑戦してください

<序章>ギターの醍醐味は独奏にある!

数ある楽器の中で、一人でメロディーを弾き、同時に伴奏を弾くことができる楽器が、一体いくつあるでしょう?
改めて考えてみると、その少なさにきっと驚かされます。
答えは、ピアノに代表される鍵盤楽器と、ギターを含めたハープの仲間だけ。身近なものに限定すればピアノとギターだけということになるでしょう。
ところがこの両者、ピアノが独奏楽器として演奏される機会が非常に多いのに対し、ギターはバンドの1パートとして伴奏だけを、あるいはメロディーだけを受け持つことが多く、この二つの仕事を同時にこなす独奏つまりソロギターは、その楽しさを知る人が少ないせいか、演奏者の数に恵まれていないような気がします。

しかしギターの醍醐味とも言うべきその魅力は独奏にあります。
若い頃を振り返れば、いつも仲間がそばにいて、
イントロのコードを弾けば一人がメロディーで答えてくれた。
いつの間にかもう一人がベースで加わり、場は最高潮に!
胸が熱くなるこんな思い出を持つ人も多いでしょう。
時は流れ仲間たちはいずこへ、、、もうギターは弾けないの?
そんなことはありません。
ソロギターがきっとあの時を再現してくれます。
正確に言えば、あれに近い時を。
仲間の力を借りず一人で二役、時には三役もこなせるかも知れません。

ピアノの88音に対し、45音というアコースティックギターの音域は、ともすれば不自由に映るかも知れませんが、
解放弦を含めた126に及ぶポジション数は、奇想天外な編曲やアドリブ演奏を生む大きな可能性を秘めています。

また制約がある中での編曲や運指(指使い)の検討には、パズルのような面白さがあります。時にハイポジションで運指に窮する中、解放弦の利用を思いついた時などは、チェックメイトをかわして逆転勝ちしたような達成感に包まれたり、、

アコースティックギターとは、フォークギターやクラシックギターなど、電気を使わない普通のギターのことで、エレキギターと区別するために付けられた楽器名です。
インスタントコーヒーの普及で、本物のコーヒーをレギュラーコーヒーと呼ばざるを得なくなったのに、なんとなく似ています。

ベートーベンが「ギターは小さなオーケストラだ」と賞賛したそうですが、そこまでのスケールはないにせよ、二人以上で弾かなければ無理と思われる曲をさも二人で弾いているかのような独奏にアレンジすることはできます。

コードストローク、アルペジオ、スリーフィンガーへと歩を進め、歌の伴奏に専念するのも価値あるプロセスと言えましょう。しかしギターの魅力はそれだけに留まりません。
せっかく手にしたギターが、伴奏や合奏の1パートを担うだけで、一度も独奏に使われないまま、いつか押入れの奥に眠ってしまうとしたら、こんなに勿体ないことはありません。
ソロギターに使うことで、潜在する能力を大い発揮させてやりましょう。

メロディと伴奏が同時に弾ける楽しさ、
この味わいはきっと一生ものです。


音楽は楽譜が読めなくても楽しむことはできますが、
読めた方がより一層その楽しみの幅を広げることができます。
末永くギターや音楽そのものとつき合って行くためにも、
楽譜はタブ譜ではなく五線譜を使うことを強くお奨めします。

最近はタブ譜が付いていないと、曲集も教本も売れないのでしょうか。スッキリとした五線譜だけの楽譜がメッキリ減ってしまいました。
「タブ譜で覚える初めての◯◯」といった入門書も出ていますが、初心者にこそ、五線譜を与えるのが親切というものです。

タブ譜に頼っているあなたは一生譜面が読めない!

以下基礎知識と言うよりも、予備知識に近い内容ですが、
これを読めばもうタブ譜はいらなくなるはずです。
譜面上に記される記号や用語が、どのような使われ方をするかを説明します。
新しい記号に直面した時、きっとお役に立てると思います。

また次のページにはソロギターミニライブと題し、
YouTubeにアップされた魅力ある演奏をいくつか紹介しています。これらがギター1本で演奏されていることを是非目でお確かめください。

<第1章> ギター譜のスタイル

ギター譜は1段の譜表(五線譜)で表わされる、というのが基本的なスタイルです。
ピアノ譜をイメージしてみてください。
ピアノ譜は、主にメロディー(旋律)を弾く右手用の上段と、
に伴奏を弾く左手用の下段の2段で構成されています。
上段にGクレフ(ト音記号)、下段にFクレフ(ヘ音記号)がついているのはご存知でしょう。
これに対しギター譜は、Gクレフを使った1段の譜表で表現されます。
この1段の中にメロディーと伴奏が、上下に向きを変えて配置されます。
大概は、符尾(音符の棒やハタ)が上を向いているのがメロディー、
下を向いているのが伴奏ですが、
曲によっては更にサブメロディー(副旋律)が加わることもあります。
しかしこれによって、どれがメロディーなのか伴奏なのか、
またサブメロディーなのか、混乱を来す恐れがある場合は、

部分的にピアノ譜のように2段の構えをとることもあります。
有名なアランフェス協奏曲第2楽章では、途中10小節程この適用が見られます。
とは言え、こんな譜面など滅多にありません。先ずは1段の五線譜を覚えてください。


<第2章> ドレミのポジション(音階)

図1は、ギターのネックを上から見たものです。
左側がヘッド、右側がボディーの方向と考えてください。
ここではこれをポジション表と呼びます。
12フレットから先は、音の高さこそ違いますが、このポジションが繰り返されます。
言わば還暦のようなものでしょうか。
の色分けについては後に述べますが、これには重要な意味があります。

図1(拡大)
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<弦の番号>
左端に縦に並んだ@〜Eの数字が弦の番号です。
弦の番号は、高い音の出る細い方から順に数えて行きます。
どこも押えずに弾いた場合(開放)の音は次の通りです。
@ミ Aシ Bソ Cレ Dラ Eミ

<フレット番号>
上部の横に並んだ数字が「フレット番号」です。
フレットとは、本来埋め込んである金属の棒のことですが、
フレット番号は、フレット間の指を置く部分にあてられます。
例えば、1弦の3フレットはソ、3弦の2フレットはラ、
また4弦の開放(0)と言えばレです。

※1弦の2フレットや3弦の1フレットなど、音名の書いてない所は、
ピアノの黒い鍵盤にあたる部分で♯や♭になる場所ですが、ここでは省略します。

<第3章> ギター譜に表示される数字や記号

<0,1,2,3,4>これは左手の番号です
音符に添えられた数字、1,2,3,4は、押える左手の指の番号を表します。
0は開放弦で、どこも押えないことを意味します。
また-1,-2など、マイナスのような記号のついた数字は、
前出の同じ指を同じ弦上を移動させて押えることを示します。

1人さし指 2中指 3くすり指 4小指 0開放 ※親指は使いません

p,i,m,a>これは右手の記号です
音符の上下端、または脇に添えられたこの記号は、弦を弾く右手の指を表します。
右手は概ね、低音の6、5、4弦を p (親指)で、その他 i, m, a は、
その音を出すのに弾き易い指で良しとされています。
このため左手の番号のように音符の一つ一つに添えられることはあまりなく、
編曲者の意図により必要に応じて指定されます。

p 親指 i 人さし指 m 中指 a くすり指 ※小指は使いません

ある少年が「ピマ」と覚えれば良いね、と言ったことがありますが正にその通りです。

<@ A B C D E>これはの番号です
音符の上下端、または脇に添えらる◯に囲まれた番号は、
使用する弦に指定がある場合に表示される「弦番号」です。
既にご存じの方も多いと思いますが、ギターはピアノなどと違い、
同じ音の出る場所が中音域に複数存在します。
図1緑の範囲は、言わばレギュラーポジションであり、
この範囲で演奏する場合は、特に弦番号を表示することはありません。
しかし、あえてのポジションを使う場合、
またはのポジションからのポジションに戻る場合に、この番号表示がなされます。
例としてソの音を1弦の3フレットではなく、
2弦の8フレットで弾くよう指示する場合にA、
あるいは、シを2弦の開放ではなく、
3弦の4フレットで弾くよう指示する場合にBと表示します。
但し実際の楽譜では、弦番号は表示されても、フレット番号は表示されませんので、
各弦の音の位置は暗記する必要があります。
それまでポジション表を側に置いて練習してください。

図2(拡大)
newzu2.jpg
図2は、6弦の開放(ミ)から1弦の12フレット(ミ)
に至るまでの音階に、押えるポジションを示したものです。
◯で囲まれた数字は弦の番号、
その右側の数字は、ここでは押さえるフレットを表します。
6弦の低音域と1弦の高音域以外には、同じ音を出せる場所が2から3ケ所ある
ということがお解りいただけると思います。
例えば、ドの音{※五線譜上、3間(3カン)と呼ばれる場所}は、
2弦の1フレット、3弦の5フレット、4弦の10フレット
で出すことができます。
※但し、緑の◯が正規のポジションです。

五線譜には、串刺し状に線に貫かれた音符と、
その間に位置する音符がありますが、
線に貫かれた音符は、下から1線(1セン)、2線、3線の音符と呼び、
その間に位置する音符は、下から1間(1カン)、2間、3間の音符と呼びます。
例えば、1線はミ、5線はファ、2間はラです。4間は何ですか?

※ギターは、標準よりも低い音を持つ楽器です。
便宜上、概ねバイオリン記号(🎼)の五線譜に収まるように記譜しますが、
実際には、それよりも1オクターブ低い音が出ます。

<C.5><C.1A><C.2B~D>これはセーハを表します
C.はセーハを意味します。セーハとは1の指を寝かせて、
弦に橋渡しをするように押えることです。

例えば「F」や「B♭」という初心者泣かせのコード(和音)がありますが、
1の指で全弦の1フレットを押えるあの構えがセーハです。
C.5は5フレットをセーハするという意味です。
更にそこから右へ延びる横線は、セーハの続くところまで引かれ、
その範囲を示します。

また全弦ではなく、半分セーハで良いということを
「1/2C.」や「M.C.」の記号で表わす場合もありますが、
はっきりと何弦までセーハすれば良いかを示す記号は、これまでありませんでした。
そこで私は、C.1AやC.4B、またC.2B~Dなどの記号を用いることで、
セーハの形を明確にすることを提唱したいと思います。
C.4Bならば4フレットを3弦までセーハですることを示し、
C.2B~Dは2フレットの中間3.4.5弦のみをセーハすることを示します。
という訳ですが、この小さな発信がいつか普及してくれることを願います。

セーハ"ceja"はスペイン語、フランス語ではバレーと言いますが、
手元の西和辞典で語源を探ったところ、
1まゆ.眉.2(物の)やや高まった所.3(山頂にかかる)横雲;(山の)尾根、と続き、
4番目に(弦楽器の)上駒;(ギターなどの)カポタスト、と記されています。
カポタストについては、この後に項目を設けていますが、
スペインではカポタストのこともセーハと呼ぶようです。

<Pos.5>これはポジションを表します
Pos.はポジションを意味します。左手は通常1の指を1フレットに置き、
ここを基準に概ね1から4フレットの範囲で動かします。
この場合Pos.の表示はなされませんが、
この基準が他のフレットに移る場合に表示されます。
Pos.5は1の指を5フレットに置くことを意味します。
あとの横棒は、そのポジションが続くところまで延ばされ、その範囲を示します。
実はこの記号はなくても済むものです。しかしあれば親切な楽譜と言えるでしょう。

<Harm.7><A.Harm.12>これはハーモニックスの指示です
Harm.は、音符上端の菱形の記号◇とともに、ハーモニックスを指示するものです。
(楽譜によっては符玉そのものを◇や◆にしたものもあります)
ハーモニックスとは、弦楽器独特の奏法で、
異次元を思わせる美しい響きを演出したり、
通常の最高音より更に高い音を出したりする時に用いますが、
ギターほどこれを効果的に表現できる楽器はないでしょう。
(日本語では倍音と言います。)
ハーモニックスが出せる場所は5、7、12、19フレット上が主ですが、
その原理はここでは省略します。
ハーモニックスにはナチュラルハーモニックスという普通のハーモニックスと、
アーティフィシャルハーモニックスという技巧的なハーモニックスがあります。
前者はHarm.12のように表示され、この場合は左手で12フレット上を
軽く押え、右手で弦を弾いた瞬間に放す方法です。
後者はA.Harm.12のように表示され、左手は任意のフレットを普通に押えて構えます。
更にそこから数えて12番目のフレット上を、右手の i の指を使って軽く押え、
a の指で弦を弾く方法です。
(スリーフィンガーの途中などで、素早さが求められる場合は、iではなく p で押え、
m で弾くと良いでしょう。)
両者この時、軽く押える指はフレット間ではなく、
実際に埋め込んだフレットの真上になるので、ご注意ください。

<Capo.3>これはカポタストの指示です
譜面の冒頭に時々掲げられるこの略号、
もうご存知かと思いますが、一応触れておきましょう。
ギタリストの必携アイテム、カポタスト(通称カポ)の装着指示です。
先人は、よくぞこんなに便利なものを遺してくれました。大いなる発明だと思います。
それでは使い方の一例を説明しましょう。
capophoto.jpg
ここに変ホ長調(E♭)の曲があったとします。(調号は♭が3つ)
主音はミの♭つまり4弦の1フレットを基準とした音階で成り立つキーです。
次のポジションを順に押さえて弾いてみてください。
(弦番号の右はフレット番号)
C1C3B0B1B3A1A3A4

どうですか?ややこしくて一回では覚えられないポジションでしょう。
そこでカポの登場です。3フレットにカポタストを取り付けてみてください。
Capo.3は3フレットにカポタストを装着するという意味ですが、
考え方としては、終始3フレットをセーハした状態で演奏するのと同じです。
疲れるセーハをカポタストに任せれば、4本の指が自由になります。
さてこの状態で5弦の3フレットから始まる普通の音階(ドレミ)を弾いてみてください。

D3C0C2C3B0B2A0A1

先程のややこしいポジションと同じ音が出るでしょう。
この時、通常「ミ」と読む1線の音符を「ド」だと思って順を追ってみてください。
この方法で読む音階のことを「移動ド」と呼びます。
むずかしい音階を弾き馴れた簡単なポジションで弾くことができます。

コードを弾く場合も同じです。E♭などという文字を見るのもイヤなコードが、
カポタストを3フレットに装着することによってCで弾ける訳です。
或いはCapo.1でDにしても良いでしょう。
響き方のニュアンスで選べば良いと思います。

セーハコードを多用するキーでは、ソロギターや伴奏には向かず、
実際の演奏は不可ということもあります。第一疲れ切ってしまうでしょう。
これはギターの構造的宿命であり、本来のキーにこだわるならば、
カポタストを利用するか、弦の張りを緩めて音程を下げるしかありません。
ギター曲に適したキーは、ほぼ次のものに限られます。

A、C、D、E、G、Am、Dm、Em

これ以外のキーならば、迷わずカポタストを利用し、
楽な押さえ方で演奏するのがスマートです。
例えばFの場合、Capo.5でCというのが一般的ですが、他にCapo.3でDやCapo.1でE、
という手もあります。それぞれ試してみてください。


余談ですが‥‥
カポタストの項目で「変ホ長調」という言葉を使ってしまいましたが、
これらの日本語表記はもう廃止しても良いのではないかと思います。
戦時下の外来語排除で、一層これが強化されたとも聞きます。
もしそのためであれば、ド.レ.ミはイタリア語、ツェー.デー.エーはドイツ語。
この2国はそれぞれ同盟国でしたから、排除の対象になること自体が大きな間違い
だったことになります。
今の世の中、階名はドレミ、音名はハニホで区別するなど紛らわしく無意味です。
実際にレッスンやリハーサルの現場において、ハ.ニ.ホを使ったコミュニケーションが
果たしてあるでしょうか。
階名は「移動ド」、音名は「固定ド」と両方ともイタリア語にすれば良いのです。
高尚な方はドイツ語でも良いでしょう。
調名は既に、CメジャーやAマイナーなどの英語表記も一般的ですから、
これをこのまま使うか、ド長調やラ短調などの言葉を作って普及させるのが望ましい
と思います。
♪ハニホへトイロハ~とはもう誰も歌わないのですから。
異義のある方、是非お寄せください。

<終章> TAB(タブ)譜なんかもういらない!

そもそも「何弦の何フレットは何の音?」が解っていれば、タブ譜はいりません。
各弦に示された音の位置を実際に押さえ、繰り返し音を出してみてください。
日本では、小学1年生から五線譜の読み方を習います。
英語よりも先に学び始めていたことを忘れてはいませんか?
譜面が読めないことを誇らしげに語る人がいるのは、なんとも嘆かわしいことです。
タブ譜は五線譜と重ねて表記されます。つまり五線譜との併用で初めて成り立つのです。
新たにタブ譜のしくみを覚えるより、全弦のポジションと指の番号を知ることで、
五線譜を十分読み解くことができるようになります。

以上、ギター譜の概要と頻出する主な事項を説明しましたが、
これ以外の記号や用語についても、都度追記して参ります。

♪ ソロギターミニライブ
◎コーヒーブレイク(ギタークイズ)


posted by KML at 03:00 | TrackBack(0) | オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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